皆様こんにちは、こんばんは。
「最近またガソリン高くなってない?」
そう感じている人は多いはず。でも、そもそもガソリン価格はどうやって決まっているのか、知っていますか?
この記事では、元売価格・税金・為替・原油価格などの関係性を、図解付きでわかりやすく解説します!
身近なガソリン価格の裏側には、国際情勢から政府の税制まで幅広い要素が関わっています。この仕組みを理解すれば、価格変動の理由がわかり、お得に給油するコツも見えてきますよ。
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目次
ガソリン価格の内訳はこうなっている!
1リットル=約170円の内訳とは?
私たちがスタンドで払っている「ガソリン1Lあたりの価格」は、実はその半分以上が"税金"です。
多くの消費者はガソリン代をそのまま原油代だと思いがちですが、実際はかなり複雑な構造になっています。
| 項目 | 内容 | 割合(目安) | 
|---|---|---|
| 原油・精製・輸送コスト | 原油価格+精製・物流費など | 約35% | 
| 元売・販売マージン | 石油元売・ガソリンスタンドの利益 | 約10% | 
| ガソリン税(揮発油税・地方税) | 1Lあたり53.8円+5.2円 | 約35% | 
| 消費税 | ガソリン代+ガソリン税の合計に課税 | 約10% | 
| その他コスト | 広告・人件費など | 約10% | 
つまり、「実質の原価」は全体の3〜4割程度しかないのです。これは国際的に見ても日本のガソリン価格の特徴で、欧州諸国と並んで税金比率が高い国の一つです。アメリカなどは税金の割合が低く、原油価格の変動がそのままガソリン価格に反映されやすい構造になっています。
また、この内訳は地域や時期によって若干変動します。たとえば、原油価格が高騰している時期は「原油・精製・輸送コスト」の割合が増加し、逆に原油価格が下がっている時期は税金の割合が相対的に高くなります。ガソリン価格が下がりにくい主な理由もここにあるのです。
元売会社とは?価格設定の基準と仕組み
「元売」ってどんな存在?
出光、ENEOS、コスモなどの大手石油会社が「元売」にあたります。
彼らが輸入・精製したガソリンを、各スタンドへ「卸価格」で販売します。この「元売」という言葉は、石油業界特有の用語で「元になる卸売業者」という意味です。日本の元売市場は再編が進み、現在は主に3グループ(ENEOSホールディングス、出光昭和シェル、コスモ石油)に集約されています。
元売会社の主な役割は以下の通りです:
元売各社は週に一度、「仕切価格」と呼ばれる卸値を改定します。この価格改定が私たちの目にするガソリン価格に大きく影響するのです。
元売が決める「卸価格」がスタンド価格に直結
卸価格(仕切価格)が上がる=販売価格も上がるという連動関係があるため、元売の価格改定は消費者に直撃します。
一般的に、元売各社は毎週火曜日に翌週の卸価格を発表し、それを受けてガソリンスタンド側も価格を見直します。この「火曜日価格改定」のサイクルが、日本のガソリン価格変動の基本リズムになっています。
また、元売会社は「建値」と呼ばれる参考価格も設定しており、この建値を基準にスタンド側が実際の販売価格を決める仕組みです。
系列スタンドは元売との契約関係にあるため、この建値や卸価格の影響を強く受けます。一方、独立系スタンドやディスカウント系スタンドは、相対的に自由度が高く、価格競争を仕掛けることも多いです。
製油コストや輸送費も影響する
精製のエネルギーコストや、物流網(タンクローリー・船舶など)の維持費も価格に含まれます。原油を輸入してから私たちが使えるガソリンになるまでには、実に多くの工程があります。
製油所では24時間体制で原油を精製しており、その過程では大量の電気や熱エネルギーが必要です。
また、精製されたガソリンは全国各地の油槽所へタンカー船で運ばれ、そこからさらにタンクローリーでガソリンスタンドへ配送されます。
特に離島や山間部などの遠隔地では、この輸送コストが価格に大きく上乗せされるため、都市部より高くなりがちです。
さらに、季節による需要変動も価格に影響します。
たとえば、夏のドライブシーズンや冬の暖房需要増加期などは、輸送量が増えるため物流コストが上昇することもあります。
また、災害時などは緊急配送体制が必要になり、通常より高いコストがかかることもあります。
税金が高すぎる?ガソリンにかかる2つの主要税金
① ガソリン税(揮発油税+地方揮発油税)
1Lあたり約59円がこの税金に該当します。
実質、走れば走るほど税金を払っている計算です。この税金は1972年に導入され、当初は「道路特定財源」として道路建設や維持に充てられる目的税でした。しかし2009年に一般財源化され、現在は必ずしも道路整備だけに使われるわけではありません。
具体的な内訳は以下の通りです:
これらの税金は固定額のため、原油価格が下がってもこの部分は変動しません。つまり、国際的に原油価格が半額になっても、ガソリン価格は半額にはならないということです。一般財源化後も税率は変わっておらず、「道路を使う人が負担する」という考え方は今も残っています。
② 消費税も加算される
注意したいのが、"税金に税金がかかる"構造です。
ガソリン価格+ガソリン税="課税対象"になり、その合計に10%の消費税がかかります。これは「税金の二重取り」と批判される仕組みで、欧州などでも同様の制度があります。
たとえば、仮に税抜きのガソリン価格が100円だとすると:
- ガソリン税(約59円)が加算され、159円になる
- この159円に対して10%の消費税(15.9円)がかかる
- 最終的な価格は174.9円となる
このように、ガソリン税だけでなく「ガソリン税にかかる消費税」も私たちは負担しているのです。この仕組みにより、原油価格の変動以上に税金の影響が大きくなっています。
トリガー条項とは?
ガソリン税を一時的に軽減する制度ですが、現在は「凍結中」。
政治判断で復活すれば価格が下がる可能性もあります。
トリガー条項は「原油価格が一定以上高騰した場合に自動的にガソリン税を引き下げる」という緊急措置です。
具体的には、WTI原油価格が1バレル85ドルを超えた状態が3か月続いた場合、ガソリン税を一時的に25円/L程度引き下げる仕組みでした。
しかし、財政への影響や制度の複雑さから現在は凍結されています。
代わりに、原油価格高騰時には「激変緩和措置」として政府が元売各社に補助金を出す形で対応することが多くなっています。
この補助金は「原油価格高騰対策」として、ガソリンだけでなく灯油や軽油も対象にしています。
過去には原油価格が高騰した際に、1リットルあたり最大25円の補助金が出されたこともあります。この補助金は国の予算から支出されるため、結局は税金で賄われているという批判もありますが、急激な価格上昇を緩和する効果はあります。
為替と原油価格の変動が価格に与える影響
原油は「ドル建て」で輸入している
日本は原油をアメリカドルで購入しているため、円安=ガソリン価格上昇という構図になります。日本は石油の99.7%を輸入に頼っており、主にサウジアラビア、UAE、クウェート、カタールなどの中東諸国から購入しています。これらの取引はすべて米ドル建てで行われるため、為替レートの変動は直接的に輸入コストに影響します。
具体的には、原油の国際指標価格には主に以下の2種類があります:
日本が輸入する中東産原油は、これらの指標を参考にしながらも、「ドバイ原油」などの価格を基準にしていることが多いです。いずれにしても、これらはすべてドル建てで取引されています。
円安の影響はどれくらい?
為替が1ドル=100円 → 150円になると、原油コストが1.5倍になる計算です。円安が進むほど国内価格に反映されやすくなります。たとえば、原油価格自体は変わらなくても、円安の影響だけでガソリン価格が上昇することは珍しくありません。
近年の日本では円安傾向が続いており、2022年以降は1ドル=130〜150円台で推移することも多くなりました。これは2010年代前半の80〜100円台と比べると、大きな変化です。つまり、同じ原油価格でも、円建てに換算すると以前より30〜50%高くなっているのです。
また、為替の変動は即座に反映されるわけではなく、石油会社の為替ヘッジ(先物取引などによるリスク回避策)や在庫状況によって、数週間から数か月のタイムラグが生じることもあります。そのため、為替レートが改善しても、すぐにガソリン価格に反映されないこともあります。
原油相場の主な変動要因
- OPEC(産油国グループ)の増減産
- 戦争・政情不安(中東やロシア情勢など)
- 世界的な需要と供給のバランス
- 新興国の経済成長と石油消費量
- 再生可能エネルギーの普及による石油需要の変化
- 原油の在庫状況(アメリカの戦略石油備蓄など)
- 投機マネーの流入・流出
これらの要因はニュースで大きく報道されるため、価格予測にも役立ちます。特に「OPEC+」と呼ばれるサウジアラビアやロシアなどの主要産油国グループの決定は、原油価格に大きな影響を与えます。
彼らが減産を決めると価格は上昇し、増産を決めると価格は下落する傾向があります。
「シェールオイル革命」以降、アメリカは世界最大の産油国となり、その生産動向が国際市場に大きな影響を与えるようになりました。アメリカの掘削リグ数(稼働中の油井の数)なども、将来の原油供給量を予測する上で注目されています。
なぜ地域やスタンドで価格が違うの?
都市部と地方で価格差が出る理由
配送コストが安く済む都市部の方がガソリンが安くなりやすい傾向があります。
製油所や油槽所から遠い地域ほど輸送コストがかかるため、同じ県内でも価格差が生じます。
たとえば、太平洋側の製油所から日本海側へ運ぶ場合、山間部を越える輸送コストが加算されるため、日本海側のガソリン価格が高くなりがちです。
また、人口密度も価格に影響します。競合が多い都市部では価格競争が起きやすく、一方で過疎地では競合が少ないため高値になりやすい傾向があります。沖縄や離島などは本土からの輸送コストが大きいため、全国平均より10円以上高いケースも珍しくありません。
セルフとフルサービスの違い
人件費の違い=価格差に直結。セルフの方が平均5〜10円安い場合もあります。フルサービスでは給油だけでなく、窓拭きやタイヤの空気圧チェック、灰皿掃除などのサービスも含まれているため、その分のコストが価格に反映されています。
また、セルフスタンドとフルサービススタンドでは客層も異なり、フルサービスは高齢者や女性ドライバーに好まれる傾向があります。
そのため、地域の人口構成によっても、セルフとフルサービスの価格差は変わってきます。高齢化が進んだ地域ではフルサービスの需要が高く、価格差が小さいケースもあります。
最近では「セルフ&サービス」という中間型や、時間帯によってサービス内容を変える店舗も増えています。例えば、日中はセルフ、夕方以降はフルサービスという営業形態です。
競争率やタイムセールの影響も
激戦区では価格競争が激しく、日替わりで価格が動くことも。
平日朝や週末前が狙い目という店舗もあります。
特に郊外の幹線道路沿いや大型ショッピングセンター周辺は競争が激しく、価格変動が大きい傾向があります。
曜日や時間帯による価格変動も見逃せません。多くのスタンドでは週末に値上げし、平日に値下げするサイクルを取っています。これは週末のドライバー需要を見込んだ価格戦略です。また、朝と夕方で価格が変わることもあり、通勤前の早朝給油が安い傾向があります。
さらに、独自のポイントカードやクレジットカード割引を導入している店舗も多く、表示価格以外の実質値引きも考慮する必要があります。
例えば、「現金とカードで価格が違う」「特定の曜日はポイント2倍」といった特典を比較することで、さらにお得に給油できることもあります。
ガソリン価格を上手に読み解くコツ
価格情報サイトを活用しよう
gogo.gsなどの価格比較サイトでは、地域別・スタンド別の価格がリアルタイムでチェック可能です。
スマホアプリも充実しており、現在地周辺の最安値スタンドを素早く見つけられます。ユーザー投稿型のサイトなので、最新情報を確認できるのが大きなメリットです。
その他にも、「carview」「e燃費」などのサイトやアプリでも価格情報を確認できます。また、ENEOS・出光・コスモなど元売各社の公式アプリでは、系列店の価格情報やクーポンが配信されていることもあります。複数のアプリを比較することで、より正確な情報を得ることができます。
買い時は週中〜木曜が多い?
地域によりますが、金曜〜日曜に値上げする店舗が多いため、水・木に満タンにしておくのがおすすめです。これは週末のドライブ需要を見込んだ価格設定で、多くのスタンドが共通して採用している戦略です。
また、元売りの価格改定サイクルを理解することも重要です。前述のように、元売各社は火曜日に翌週分の卸価格を発表することが多いため、その内容によっては「今週中に給油すべきか、来週まで待つべきか」の判断材料になります。エネルギー庁の「石油製品価格調査」なども参考になるでしょう。
さらに、原油価格や為替レートの変動を3〜4週間先取りして考えると、将来的な価格動向も予測できます。例えば、「先週から原油価格が大幅に上昇しているなら、3週間後には国内価格も上がる可能性が高い」といった具合です。
月単位で備えるのも◎
原油価格や為替が落ち着いている時期に、ガソリン携行缶で"予備燃料"を保管する人もいます(※法令・管理に注意)。
最大20リットルまでの携行缶であれば、一般家庭でも保管可能です(消防法で定められた金属製の専用容器を使用する必要があります)。
ただし、安全面には十分注意が必要です。直射日光の当たらない涼しい場所で、火気から離して保管することが重要です。
なお、災害時の備えとしてガソリンを保管する場合は、発電機やストーブなど使用目的に合わせた量を考慮すると良いでしょう。過剰な備蓄は危険を伴うため避けるべきです。
まとめ|価格の仕組みを知れば、納得して給油できる
ガソリンの価格は「ただの数字」ではありません。
税金・原油・為替・元売のすべてが関係する"複雑な仕組み"によって成り立っています。
だからこそ、ちょっとした知識が「節約」や「賢い判断」につながります。
次に給油する時は、ぜひこの記事の内容を思い出してみてくださいね。
また、将来的にはEVの普及やカーボンニュートラルの流れも見据える必要があるでしょう。ガソリン車の保有率低下や化石燃料への環境税導入など、今後も価格構造は変化していく可能性があります。こうした大きな流れを理解しておくことも、長期的な車の維持費を考える上で重要なポイントになるでしょう。
いずれにしても、「なぜ高いのか」「いつ安くなるのか」という疑問に対する答えは、この記事で解説した様々な要素の組み合わせにあります。賢いドライバーは価格の仕組みを理解し、情報を活用して最適なタイミングで給油することで、少しでも家計の負担を減らしていきましょう。
それではまた次回のブログで。
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