【中古車で地雷を避けろ】"走行距離だけ"を信じてはいけない理由
「走行距離が少ない=いい車」という考え方、あなたも信じていませんか?
一見正しそうですが、実は思わぬ落とし穴があるのです。
中古車選びに失敗して後悔する人の多くは、走行距離だけに注目してしまった結果、予想外のトラブルに見舞われています。
本記事では、走行距離の罠と本当に見るべきポイントについて詳しく解説します。
目次
🚗 なぜ走行距離ばかりを重視するのか?
中古車選びでは「◯万kmしか走っていない!」という低走行車が人気です。
ですが、それだけで車の状態を判断するのは危険です。なぜ多くの人が走行距離を重視してしまうのでしょうか?
- 走行距離は見た目でわかりやすい
- 販売店も広告で強調しやすい
- 再販時に高く売れると思われている
- 「車は使えば使うほど劣化する」という単純な思い込み
- 他の判断基準がわからず、数字に頼りがち
- 友人や周囲からも「走行距離が少ない方がいい」と言われる
しかし、低走行=高品質とは限らないのです。むしろ、少ない走行距離が「不自然」なケースもあります。例えば10年落ちの車なのに走行距離が1万kmしかない場合、単純に「あまり使われていない良い車」というわけではなく、長期間放置されていた可能性もあるのです。
車は機械ですから、適度に使われ、定期的にメンテナンスされている方が健全な状態を保ちます。人間の体と同じで、「使わないと錆びる」という側面もあるのです。
⚠ 実際にあった「走行距離が少ないのにハズレ車」
走行距離1万km未満の中古車でも、以下のようなケースがあります。これらは全て実際に起こった事例です。
- 長期間放置され、オイルが劣化していた
 ある方は走行距離8,000kmの3年落ち軽自動車を購入しましたが、実はその車は展示車として長期間同じ場所に置かれていました。エンジンをほとんど動かしていなかったため、オイルが劣化して内部のパーツに悪影響を与え、購入後すぐに異音が発生。結果的に大掛かりな修理が必要になりました。
- 事故歴ありでフレームが歪んでいた
 走行距離15,000kmの人気SUVを購入した方がいました。価格も手頃で状態も良さそうに見えましたが、実は重大な事故歴があり、フレームの修正が不十分でした。走行時に直進安定性が悪く、タイヤの偏摩耗も早期に発生。結局、安全面の懸念から乗り換えを余儀なくされました。
- 使用環境が悪く、サビや腐食が進行していた
 北海道の海沿いで使われていた走行2万kmの車は、外観はきれいでしたが、車体下部には塩害によるサビが広範囲に発生していました。走行が少なくても、過酷な環境下で使用されていたため、想像以上に劣化が進んでいたのです。
- メーター改ざんされていた
 市場価格より明らかに安い「走行3万km」のセダンは、実際には12万km以上走っていました。前オーナーがメーター改ざんを行っていたのです。エンジンやミッションの状態は走行距離に見合わず、購入後すぐに多くの不具合が発生しました。
- 過剰なアイドリングによる内部磨耗
 タクシー会社から転売された車両は走行距離こそ少なめでしたが、長時間のアイドリングが常態化していたため、エンジン内部の磨耗が進んでいました。走行距離計はエンジンの稼働時間ではなく車輪の回転数を計測するため、このような「隠れた劣化」は数字に現れないのです。
つまり、走行距離だけでは車の「中身」は分からないのです。外見や数字だけでなく、車の使われ方や環境、整備状態など総合的に判断する必要があります。
🔍 走行距離だけでなく見るべき5つのポイント
中古車を選ぶ際には、走行距離以外にも重要なチェックポイントがあります。以下の項目を必ず確認しましょう。
| 項目 | チェックポイント | 
|---|---|
| 事故歴・修復歴 | フレーム損傷やパテ跡の有無を確認。ドアやボンネットの合わせ目(クリアランス)が不均一だったり、塗装の色味が微妙に異なる箇所があれば要注意。専門家による鑑定を受けるのが最も確実です。修復歴があるだけで車の価値は大幅に下がりますし、安全性にも関わる問題です。 | 
| 整備記録 | オイル交換、ブレーキパッド、タイミングベルトなどの履歴が残っているか。きちんと記録が残された車は、前オーナーが大切に乗っていた可能性が高いです。メーカー推奨の交換時期を守っているかも重要なポイント。特にエンジンやミッションなど、主要部品の整備履歴は必ずチェックしましょう。 | 
| 使用環境 | 海沿い・山間部・雪国などサビの出やすい地域か。特に冬季に融雪剤を使用する地域では、車体下部の腐食が進みやすくなります。都市部でも排気ガスや酸性雨の影響を受けます。過去の使用地域を確認し、可能であれば下回りを専用のリフトで持ち上げてチェックしましょう。 | 
| 所有履歴 | オーナーの使用年数や台数が極端に多いと注意。短期間で転売を繰り返している車は何らかの問題がある可能性があります。理想的には長く同じオーナーが乗っていた車で、その理由(乗り換え理由)も確認できると安心です。個人オーナーだったのか、法人・レンタカーだったのかも重要な判断材料になります。 | 
| 試乗時の違和感 | ブレーキ音、エンジン音、下回りからの異音に注意。ハンドルの振動や直進安定性、加速時のショック、シフトチェンジの滑らかさなども重要です。できれば長めのコースで試乗し、高速道路など様々な走行条件を試してみるのが理想的。エアコンや電装品など、すべての機能を実際に使ってみることも忘れずに。 | 
これらの項目をしっかりチェックすることで、走行距離だけでは見えてこない車の本当の状態を把握することができます。特に高額な買い物ですから、妥協せずに丁寧に確認しましょう。
😱 メーター改ざん(巻き戻し)に注意!
現在でも一部の業者や個人間取引では、メーター改ざんが問題になるケースがあります。車の価値を不当に釣り上げるため、悪質な業者や個人が走行距離計を改ざんする行為は後を絶ちません。
国土交通省の調査によると、中古車の約2%にメーター改ざんの疑いがあるとされています。つまり、50台に1台は「サイレントキラー」が潜んでいる計算になります。
📌 見抜く方法は?
- 車検証や点検記録で過去の走行距離を確認(不自然に距離が減っていないか)
- ステアリングやペダル、シフトノブなどの摩耗具合を見る(使用感と走行距離の整合性)
- 異常にきれいな距離数に疑問を持つ(例:ちょうど5万kmなど)
- ナビゲーションに記録された走行履歴と総走行距離を比較する
- 車体番号(VIN)で過去の記録を専門機関に照会する
- エンジンやトランスミッションの状態と走行距離が一致するか確認
- 電子部品の製造年月日と車両の初年度登録を照合する
安い・走行距離が少ないには理由がある、と疑うことが大切です。特に市場価格より明らかに安い車は、何らかの問題を抱えている可能性があります。「お得」と飛びつく前に、なぜその価格なのか、理由を徹底的に調査しましょう。
メーター改ざんは詐欺行為であり、刑事罰の対象になることもあります。万が一メーター改ざんが発覚した場合は、購入した販売店や関係機関に相談することをお勧めします。
✅ 走行距離よりも"全体の状態"を見よう!
以下のような点を見れば、車の本質的な状態が見えてきます。走行距離だけでは判断できない「車の健康状態」を総合的にチェックしましょう。
- 定期点検の有無(記録簿はしっかり残っているか)
- 消耗品の交換履歴(バッテリー、タイヤ、ワイパー、ブレーキパッドなど)
- 内外装の劣化状態(サビ・タバコ臭・シート摩耗など)
- エンジンルームの清潔さ(オイル漏れや汚れの程度)
- 足回りの状態(ショックアブソーバーの漏れ、ブーツの破れなど)
- 電装品の動作確認(パワーウィンドウ、ナビ、オーディオなど全ての機能)
- 排気ガスの色や臭い(黒煙や白煙が出ていないか)
- 冷却水やオイルの状態(汚れや混入物がないか)
走行距離は「参考情報」であって、「すべて」ではありません。むしろ、上記のような実質的な状態の方が車の価値を正確に表しています。
例えば走行10万kmでも、きちんとしたメンテナンスを受けて大切に扱われてきた車は、走行3万kmでも放置されていた車よりもはるかに良い状態であることが少なくありません。
車は生き物と同じで、「どう育てられたか」が最も重要なのです。
💡 地雷を避ける中古車の選び方3選
最後に、中古車選びで失敗しないための具体的な方法をご紹介します。これらの方法を実践すれば、「地雷車」を踏むリスクを大幅に減らすことができるでしょう。
- 信頼できる販売店で購入する
 (保証付き・認定中古車など)
 メーカー認定中古車やディーラーの保証付き中古車は、厳しい品質基準をクリアした車両のみが販売されています。初期費用は若干高くなりますが、購入後のトラブルリスクを考えれば安心料として妥当な投資です。特に「認定中古車」はメーカーが定める厳格な基準(通常100項目以上)による点検を受けており、一定期間の保証も付きます。安さだけで個人間取引や無名の中古車店を選ぶのは危険です。
- 第三者機関の鑑定車を選ぶ
 (AISやJAAIなど)
 日本自動車鑑定協会(JAAI)やAIS(オートモビル・インスペクション・システム)などの第三者機関による鑑定を受けた車両は、公正な視点で状態が評価されています。特に、「鑑定書」が付いている車は事故歴や修復歴が明確に記載されており、隠れた問題を発見しやすくなります。鑑定では専門家が車両の内外装、機関、走行性能など多角的に検査し、評価点をつけています。この評価を参考にすれば、客観的な車の状態を知ることができます。
- 試乗と現車確認は必ず行う
 (ネット購入だけで決めない)
 どんなに良い情報や写真があっても、実際に自分の目で見て、触れて、乗ってみなければわからない部分があります。試乗では単に「走る」だけでなく、ブレーキの効き具合、エンジン音、振動、ハンドリング感など、あらゆる点に注意を払いましょう。また、日中の明るい時間帯に車体をチェックし、塗装ムラや修復跡がないかを確認することも重要です。可能であれば、信頼できる知人や整備士に同行してもらうと、専門的な視点からアドバイスを得られるでしょう。どんなに忙しくても、この工程は省略せず、少なくとも30分以上かけて丁寧に確認することをお勧めします。
これらの方法を組み合わせることで、中古車選びの失敗リスクを最小限に抑えることができます。特に高額な車種や長く乗り続けたい場合は、こうした「入口」での慎重な選択が重要です。
🎯 まとめ|「走行距離だけ」は危険!
最後にもう一度強調します。中古車選びにおいて、走行距離はあくまで一つの指標に過ぎません。むしろ、車の状態、整備履歴、使用環境、オーナー履歴など、総合的な視点で判断することが重要です。
走行距離だけにとらわれず、車の総合的な状態を見極めることが中古車選びで最も重要です。安い・低走行という言葉に惑わされず、正しい判断を心がけましょう。結局のところ、大切なのは「どれだけ走ったか」ではなく「どう走ってきたか」なのです。
中古車選びは一期一会。焦らず、妥協せず、納得できる一台と出会えることを願っています。車は単なる移動手段ではなく、あなたの生活を支える大切なパートナーです。その選択に時間とコストをかけることは、決して無駄ではありません。
それではまた次回のブログで。
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