【都市伝説検証】自販機のボタンを同時押しすると当たりが出る?
昔から語り継がれる、ちょっとしたウワサ。
「自販機のボタンを2つ同時に押すと、当たりが出て2本ジュースが出てくる」
子どもの頃に一度は試したことがある人も多いのでは? この都市伝説、果たして本当に可能なのか…?
今回はその真相に、科学と実体験で迫ります!
目次
■ 都市伝説の発端はどこから?
「同時押しで2本出てきた!」という目撃談は、ネット掲示板やSNSを通じて全国に拡散。 小学生の間ではまるで裏技のように語り継がれました。
中には「○○のメーカーの自販機は確率が高い」など、まことしやかな噂も。
しかし…そもそも"当たり"機能付きの自販機って、本当にあるのでしょうか?
実はこの都市伝説、1980年代後半~1990年代頃に最も盛んに語られていました。当時はインターネットもスマートフォンもない時代。口コミで「友達の友達が成功した」という話が広まり、さらには学校の先輩が後輩に教える"秘伝"のようになっていたのです。
興味深いことに、同じような都市伝説は海外にも存在します。アメリカでは「コインを紐につけて何度も使い回す方法」、韓国では「一定のリズムでボタンを押すと当たる」など、各国で独自の"攻略法"が噂されていました。
■ 「当たり付き自販機」は本当にある!
実は、一部の自販機にはれっきとした"当たり"機能が搭載されています。
それが、以下のような機種たちです👇
【表】当たり機能がある主な自販機タイプ
| メーカー | 当たり機能名 | 抽選方式 | 備考 | 
|---|---|---|---|
| 富士電機 | 777機能 | デジタル抽選 | 「7」が揃えば当たり | 
| サンデン | チャンス機能 | ランダム演出 | 光や音で演出あり | 
| ダイドー | もう1本!機能 | レバー式 or 抽選 | 当たると自動でもう1本 | 
当たり機能付き自販機の歴史は意外に古く、約40年前の1980年代に登場しました。最初に導入したのはダイドードリンコで、当時は顧客サービスの一環として画期的なアイデアでした。
しかし近年、当たり機能付き自販機の数は大幅に減少しています。理由は以下の通りです:
- コスト面:無料提供する商品のコストがかさむ
- メンテナンス:複雑な機構の故障リスク
- 収益性:利益率の向上を重視する傾向
- 設置場所:オーナーが当たり機能を嫌がるケース
現在では、ダイドードリンコのみが積極的に当たり機能付き自販機を展開しており、同社の差別化戦略の柱となっています。
■ 当たり機能の仕組みを詳しく解説
そもそも当たり機能は、どのような仕組みで動いているのでしょうか?
【ダイドーの「もう1本!」機能】
ダイドーの自販機では、商品購入後にルーレットが回転します。このルーレットには以下の仕組みがあります:
- 内蔵コンピューター:抽選はデジタル制御で完全ランダム
- 表示演出:ルーレットの回転はあくまで演出(結果は既に決定済み)
- 当たり判定:購入ボタンを押した瞬間に抽選が完了
- 商品排出:当たりの場合、約3〜5秒後に2本目が自動排出
つまり、ルーレットが「当たり」で止まるかどうかは、ボタンを押した瞬間に既に決まっているのです。
【旧式機種の「777機能」】
富士電機などの旧式機種では、デジタル表示に「777」が揃うと当たりとなる仕組みでした。こちらも内部的には:
- 購入と同時に乱数発生
- 当たりの場合のみ「777」表示
- 外れの場合は他の数字の組み合わせ
■ 気になる「当たる確率」は一体何%?
多くの人が気になる当たりの確率ですが、メーカー各社は正確な数値を公表していません。しかし、様々な検証結果から推測される確率は以下の通りです:
【推定される当たり確率】
| メーカー・機種 | 推定確率 | 検証データ | 
|---|---|---|
| ダイドー(ルーレット式) | 約1.5〜3% | 100回中2〜3回当たり | 
| 富士電機(777式) | 約2〜5% | 機種により変動大 | 
| サンデン(チャンス機能) | 約1〜2% | 現在はほぼ廃止 | 
つまり、100回購入して2〜3回程度当たる計算になります。これは宝くじ(約1000万分の1)に比べれば遥かに高確率ですが、確実に当たるものではありません。
興味深いことに、時間帯や設置場所によって確率が変動するという報告もあります:
- 朝の通勤時間帯:やや確率が高い傾向
- 駅構内の自販機:回転率重視で確率低め
- オフィス街:リピーター獲得のため確率やや高め
- 学校周辺:学生向けサービスで確率高め
ただし、これらはあくまで検証者の体感や推測であり、科学的な根拠はありません。
■ メーカー公式は「同時押し」効果を否定
では「同時押しで当たる」というのはどうなのか?
富士電機やダイドーの技術担当の公式見解では、「同時押しで当たり判定が変わることはない」と明言しています。
同時押しをすると、ほとんどの機種では"最初に認識したボタン"のみが有効になるよう設計されているのです。
むしろ機種によっては、同時押しはエラー判定になってしまい、商品が出ないことも。
【技術的な理由】
なぜ同時押しが無効なのか、技術的な観点から説明します:
- 入力処理の優先順位:自販機のコンピューターは、複数のボタンが同時に押された場合、「最初に検知したボタン」または「左から順番」で処理するよう設計されています
- 誤動作防止:意図しない複数購入を防ぐため、同時押しは基本的にエラーとして処理
- 在庫管理:同時に複数の商品が排出されると在庫データに矛盾が生じる可能性
つまり、同時押しは技術的に不可能であり、たとえ2本出てきたとしても、それは機械の故障か不具合によるものです。
【メーカー担当者の証言】
ダイドードリンコの技術担当者によると:
「当たり抽選は購入ボタンが押された0.1秒以内に完了します。複数のボタンが同時に押されても、システムは1つの商品購入として認識し、残りの入力は無視されます」
また、富士電機の開発部門からは:
「777機能も同様で、1回の購入につき1回の抽選のみ実行されます。物理的に同時押しで確率が上がることはありません」
■ なぜこの都市伝説が生まれたのか?
では、なぜこんな都市伝説が広まったのでしょうか?
- 偶然の一致:たまたま当たり機能付きの自販機で同時押しした → 偶然当たった!
- 機械の不具合:複数人で押したことでエラーで2本出てきた(故障)
- 確証バイアス:都市伝説的に広まりすぎて"真実のように思われた"
- 記憶の美化:実際は普通に当たったのに「同時押しで当たった」と記憶が変化
つまり、ほとんどが偶然・錯覚・都市伝説化によって作られた「勘違い」だったのです。
【心理学的な分析】
この都市伝説が広まった背景には、以下の心理的要因があります:
- 「隠された方法がある」願望:人は秘密の攻略法に惹かれる傾向
- 集団心理:友達がやっているから自分もやってみたくなる
- リスクの低さ:失敗しても損失は小さい(せいぜい飲み物代)
- 成功体験の誇張:たまたま当たると「同時押しのおかげ」と思い込む
これは行動経済学でいう「パターン認識の錯誤」の典型例です。人間は関連のない出来事にも因果関係を見出そうとする傾向があり、それが都市伝説を生み出す土壌となりました。
■ 実際にやってみた!(検証結果)
自販機5台で同時押しチャレンジを実施。
- 結果:どの機種でも2本は出ず
- 当たり演出:も発生せず
- 動作:一部は最初に押したボタンが反応、それ以外は無視
唯一、ダイドーの「当たり機能付き機」では、普通に1本購入して"当たり"が出ました!
■ 自販機業界の現状と未来
現在、日本には約400万台の自販機が設置されており、世界でも類を見ない普及率を誇ります。しかし、業界は大きな変革期を迎えています。
【業界の変化】
こうした技術革新の中で、「当たり機能」のようなアナログ的な楽しさは貴重な存在となっています。
【海外の自販機事情】
参考までに、海外の自販機事情も紹介します:
- アメリカ:約645万台で世界最多だが、スナック中心
- ヨーロッパ:コーヒー自販機が主流、当たり機能はほぼなし
- 中国:スマホ決済特化、顔認証システムも導入
- 韓国:冷麺やキンパ(韓国風海苔巻き)の自販機が人気
当たり機能付き自販機は、実は日本独特の文化といえるでしょう。
✅ まとめ:本当に当てたいなら、"当たり機能付き"を探せ!
自販機の同時押しで当たりが出る──という都市伝説は、「根拠なし・偶然・錯覚」によるウワサに過ぎませんでした。
ですが、ちゃんと当たり機能が搭載された自販機は確かに存在します!
本気で当てたいなら、「当たり付き」と書かれた自販機を探してトライしてみましょう!
【最後に:当たり確率を上げる「正しい」方法】
都市伝説ではない、本当に当たりやすくなる方法をご紹介:
- ダイドーの自販機を探す:現在最も当たり機能が充実
- 「もう1本」表示を確認:当たり機能付きの証拠
- 時間帯を変える:朝や夕方の利用者が多い時間を狙う
- 新しい自販機を選ぶ:機械の調子が良い可能性が高い
- 複数回チャレンジ:確率の収束を期待
科学的根拠に基づいた正しい方法で、自販機ライフを楽しみましょう!
🔗次に読みたい!おすすめ雑学記事
それではまた次回のブログで。
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